ジャパン・スティール・チャレンジ2004
去る10月10・11日の二日間、浅草の東京都立産業貿易センター台東館でスピードシューティングの日本一決定戦とも言うべき「ジャパン・スティール・チャレンジ」が開催された。 
今回は20周年記念大会ということで開催日を2日間に延長し(例年は1日)7ステージを撃つと言う豪華な内容であった。 開催期間を2日間とした事と、前日に台風が日本列島を直撃したという事もあって、一体何人集まるのかと懸念されたが、蓋を開けてみれば全国各地から120名を超える参加者が集まった。 
これは例年の参加者数と殆んど変わらない数字である。スピードシューティングというモノが如何に魅力あるソフトウエアーであるかを示す好例であると言えよう。
さて、春のジャパン・リミテッド・スティールでは浮かれ気分でルパン3世のコスプレを楽しんだが、今大会は競技志向の強い「スピードシューティング日本一決定戦」ともいうべき大会である。 ここはひとつ東京マルイのハイキャパでまじめに撃とうと思っていたのだが、当社のハイキャパ用パーツが遅れに遅れてまだ1つも発売されていないと言う有様。ド・ノーマルのハイキャパでエントリーするのも面白くないので急遽タニオコバのVP70Mでエントリーすることにした。 実銃のVP70Mは世界で始めてポリマーフレームと3点バーストを採用した革新的マシンピストルであったが、革新的過ぎて正当な評価を得られず短命に終わったコレクターズアイテムの類である。しかもストライカー方式のダブルアクション・オンリーというトリガーメカニズムはスピードシューティングには全く向いていない。 しかし、タニオコバVP70Mはハンマー内蔵式のシングルアクションでインナーバレルは完全固定式だ。 高い命中精度を求める場合、完全固定式のインナーバレルは理想的な条件である。これはもしかすると使えるかもと思い早速フラッシュサイト付きカスタムスライド、ショートストロークトリガー、フラットTDキャッチ、シルバ-mgキャッチを取り付けて練習に使ってみた。すると意外に使えることが判明! 練習を繰り返すうちに2秒台後半のタイムが出せるようになってきた!! そこで本格的にカスタムを開始。まず問題になったのがセフティー。 シューティングマッチではホルスターに銃を納めた状態では安全装置を掛けておかなくてはならない。 しかしVP70Mのセフティーはクロスボルト方式なので、ホルスターから銃を抜きながらセフティーを解除するのは極めて難しい。

そこでセフティーをアクリル板で大型化、人差し指がトリガーに触れると自然にセフティーOFFとなるように改良した。


また、私には細すぎるグリップをプラリペアで整形し安定した射撃フォームがとれるように改良、最大の問題点であるホルスターはホルスターストックをレースホルスターに改造して使用することに決めた。

ところがこのホルスターが曲者であった。
銃本体のカスタムは順調に進んだのだが、ホルスターの製作はあまり経験が無い。 サファリランドのレースホルスターを参考にトリガーガードロックを自作し、ホルスターストックをばっさり切断して取り付けたのだが、完成間も無く強度不足でトリガーガードロックが破損! 

この時点で大会前日だったので使用を断念。 
友人から借りたKDプロのシグプロ用に無理やりVP70Mを突っ込んで大会に望む事となった。
さて、大会の模様だが一般的なマッチレポートは他の人にお任せしてDr.アミーゴ的視点でお伝えしよう。
今回は20周年記念大会ということもあって会場に出店させて頂いた。 ご来店くださった皆様、誠に有難うございました。 東京マルイ・ハイキャパ用パーツが間見合わなくてスミマセンm(__)m
 

ジャパン・スティール・チャレンジとは四角く囲った射撃エリア(シューティングボックス)から5枚のスチールプレートを如何に速く撃つかを競う競技である。

 
タイム計測のため最後に撃たなくてはならないターゲット(ストップターゲット)が1枚あるが、それ以外はどんな順番で撃っても良く、弾数の制限も無い。 
(だからと言ってフルオートは禁止ですのでご注意を!)

 

 

今回は全部で7種類のステージが有った。 
基本的には5枚のスチールプレートを撃つだけなのだが、的の大きさや配置が変わるだけで意外なほどの変化が生まれ、撃つ者を楽しませて(苦しめて?)くれる。

 

 

 

競技の手順は、(1)自分の順番が回ってくるまでは銃はホルスターかバックに入れて待機。
もちろんマガジンは銃から抜いておく。
(2)ジャッジに呼ばれたらシューティングボックス(四角く囲われた射撃エリア)に入り、銃にマガジンを入れない状態でサイトのチェックや立ち位置の確認を行う。
(3)ジャッジから「ロード・アンド・メイクレディー」のコールが掛かったら銃にマガジンを入れセフティーを掛けてホルスターに収め、両手を肩より高い位置に上げてスタンバイ。
(4)ジャッジから「シューターズ・レディー? スタンバイ」のコールが有り、数秒後にブザーが鳴るので、ホルスターから銃を抜き撃ち始める。
(5)撃ち終わったら一旦銃をホルスターに収める。必要があればジャッジの許可を得てBB弾やガスを補充する。
(6)同じコースを続けて5回撃ち(コースによっては4回)、最も遅かったタイムを省いた合計がステージタイムとなる。
(7)5回(または4回)撃ち終わったら、ジャッジから「アンロード・ショークリアー・スライドダウン・ハンマーダウン・ホルスター」のコールが掛かるので、マガジンを抜き、スライドをガチャガチャと引いて(実銃の場合、チャンバーから弾を抜く動作なのだが、エアガンの場合はチャンバーからBB弾が抜けてこないものも多いので、真似事だけすればよい)、ハンマーを落とし、銃をホルスターに収める。 ここまでの動作をこなしてからシューティングボックスから出る。 シューティングマッチに於いては常に実銃を扱っているのと同じ動作が求められる。 充分な安全管理が有って始めてスポーツとしての認知が得られるのである。
ジャパン・スティール・チャレンジは競技志向の強い大会なので、自分のシューティングスタイルを気楽に楽しむというスタンスの選手は少ないのだが、全く居ないと言う訳ではない。 モチヅキ選手はLAPDのポリスオフィサーのスタイルで参戦!
カウボーイスタイルで挑むヨシオカ選手。
銀色のS.A.A.がカッコイイ!
S.A.A.もガンベルトも黒で渋くキメているのはコバヤシ選手。
私は縁起担ぎでS.T.A.R.S.のシャツでVP70Mを撃つ!
 
選手が使用する銃も、ジャパン・スティール・チャレンジではガバメント系が圧倒的に多く、中でも東京マルイのハイキャパの躍進が目立つ。 実銃の世界でも同様だが、やっぱりガバメント系が最もスピードシューティングに適しているという事だろう。 ガバメント系以外の銃となると全体の2割にも満たない。 ガバメント系の次に多かったのはコクサイのスピコンで4人、その次がグロックで3人と言った具合である。 そこで会場で目に付いた味のある銃をご紹介しよう。
写真左
これはシューティングマッチではS&W M29以外は使わないと
豪語するアラキ選手の愛銃。 
ペガサス・システムでありながら外部ホース式とした力作! 
メカに詳しい人ならこれがどんなに大変な事か解りますよね。
写真右
メーカーが無くなってしまった今も根強い人気を誇るコクサイのスピコン。スケルトン・カラーのグリップが綺麗なヴァレリー選手の愛銃。
今回はグロックの使用者も少なかったのだが、キドコロ選手のグロックは当社のタクティカルマウントを加工してインナーシャーシにネジ止めしている。 マウントを普通に取り付けると銃を左右に振った時にフレームがねじられてしまうのでシャーシにネジ止めしているとの事。 実は以前トップシューターのサカイ選手から同様の指摘を受けたことが有ったのだが自分ではそのような症状を確認できなかった。 キドコロ選手もトップクラスのシューターだが、僅かな銃の異常を感じ取ることが出来る研ぎ澄まされた感覚はさすがである。 勉強になります。ありがとうございましたm(__)m

今回、私が最もコダワリを感じたのがこの銃。
ワルサー
P99にワルサーポイントサイトを搭載しているのだが自作のマウントベースにご注目。 

軽量化の肉抜き穴がワルサーバナーの形になっているのだ! 愛情溢れるこのカスタムガンはワカサ選手の愛銃。

 

ところで、大会の成績はと言うと・・・・126人中94位でありました(涙) 銃とホルスターの製作に時間を取られ、ろくすっぽ練習しなかった為に凡ミスを連発してしまいました(汗) 私のシューティングマッチに対する取組み方は、まずカスタムガンありきなのだが、本来これは本末転倒であり銃をカスタムする時間を練習に当てた方が好成績に結びつくのだ。 良い子の皆さんは真似しなように(笑)・・・とは言うものの、来年のリミテッド・スティールにはどんなカスタムガンを作ろうかと思いを巡らすDr.アミーゴなのであった。
RETURN